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ディオニュソスの階段 上 (ハヤカワ文庫 NV テ 7-1)
- 作者: ルカ・ディ・フルヴィオ, 飯田亮介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/09/20
- メディア: 文庫

ディオニュソスの階段 下 (3) (ハヤカワ文庫 NV テ 7-2)
- 作者: ルカ・ディ・フルヴィオ, 飯田亮介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/09
- メディア: 文庫
殺しの時が到来した。〈蛇〉という名の寂しく不気味な町で、殺人鬼は女の肉を「鋭い牙」で咬みちぎった。猟奇事件の謎に挑むのは麻薬中毒者の警部ジェルミナル。やがて、その周囲に怪し気な人物たちが浮上する。奇形研究所の医師、サーカス団団長、美しき踊り子、機械人間、社会主義煽動家。しかし依然として殺人鬼の正体は闇の中だった。時おかずして、腎臓、肝臓、膵臓、心臓、そして陰嚢をもぎとられた男の死体が……
今、上巻を読み終わったところです。詰め込めるだけ詰め込んでやったぜ、といった感じの盛りだくさんな舞台設定の割りには案外真面目というか描写自体はあっさりしているところに物足りなさを感じるかな。おもしろいことはおもしろいのだけれども。

幻想少女―わ・た・しの国のアリス (トーキングヘッズ叢書 第 32)
- 出版社/メーカー: 書苑新社
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
『セラフィータ』もちょうど新訳が出たので早速読みましたけど、おどろきましたわ、ミンナなんて女性が出てくるんですもの。でも読んでみて、ふっと変だなって気がして、わたしたちも考え直さなくちゃと思ったのは、主人公が男の眼には女に、女の眼には男に見えるっていうところ。……もっとも、小説のほうは一人の人格が二つの性に別れ、瀬良家のあの方は双児ということですから、その点、意味が違いますけど、かりに双児でなくてもわたしには同じことですわ。だって、初めてあの方を見たときは、確かにもう光り輝くばかりに美しく逞しい男性だと思いましたけど、わたしにとって逞しいということは、洗練された優雅さと同じなんです。だから………
『光のアダム』 中井英夫
<男女の双子は一卵性では生まれない>
その事実を知ったときは「へー、そうなのか」と、一つの知識を吸収したぐらいにしか思わなかったものの、年齢を重ねるにつれそれは一つの失望にと変化した。
上の引用で表されてもいるように、男女の一卵性双生児とは極めて両性具有的だ。同一でありながら男女の躰に分かれてこの世に産まれ落ち、第二次性徴を迎え性差による特徴が強調されるまでの時間を同様の容姿*1を持ちながら、共に過ごすのだと考えると、二卵性しか産まれないという事実に失望する気持ちはきっとわかってもらえると思う。
瓜二つの顔をした美しい少年と少女が裸のまま草原に佇んで、微笑み合いながら手をつないでる、そんな光景を垣間見れたらどんなに幸せなことだろう。気付けばそこは狂人病棟の中なのだとしても、一度見てみたいと願う限りである。
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*1:一卵性でもあまり似てない場合もあるので理想を語っているのだということを強調しときます。
昨日はスパンアートギャラリーで行われている杉本一文展に行ってきました。退廃美と官能美が見事に融合した銅版画作品の数々に心酔わせて頂きました。ほんとうに素晴らしかったです。巨大な目玉を両脇にかかえ髑髏に跨る少女の絵には特に魅了され、帰りは離れがたい気持ちでいっぱいでした。
いつか画集が出ることを心待ちにしておきたいと思います。
人・形展 - Hito Gata -
丸の内オアゾ 丸善本店4Fギャラリー 10月13日から19日まで。
人形の専門店ドルスバラードの催事「第2回 人・形展 - Hito Gata - 」

行きたかったけど時間的に無理そうです。残念。
この展覧会に出展している青野明彦さんの標本にされたように箱に入っている人形好きだな。
杉本一文が描いた横溝正史作品表紙絵が下記サイトで紹介されてます。素敵。
スパンアートギャラリーで杉本一文展。角川文庫の横溝正史作品の表紙絵好きだったのでみに行きたい。
10月15日(月)~10月27日(土)日曜休廊(最終日17:00迄)
最近なんだか活力が出ないと思ったらエログロが足りなかったことに気付きました。エログロ欠乏症です。
本日届いた陰溝蠅兒の『夢幻城殺人事件』を読んでたら元気になってきましたよ。

- 作者: アルフレッド・ベスター, 渡辺佐智江
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
愚鈍さを武器に、卑屈さを盾に、醜さを鎧とし、もはや誰にもわたしを傷つけることは出来やしないのだと、声高らかに宣言しよう。ちょっとした気晴らしにはなることでしょう。

- 出版社/メーカー: グラフィック社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
ブライス持っていないのに、つい先に本を買ってしまった。勉強するとしよう。
いつどこで読んだのか申し訳ないことに忘れてしまったのだけれど、
今の人形愛者はピグマリオンコンプレックスというより逆ピグマリオンコンプレックスに近いのではないか。
というような説があった。
つまりは、ピグマリオンの伝説のように人形を生きているかのように愛する人々(人形に生きていて欲しいと願う人々)をピグマリオンコンプレックスと称すが、人形が生きていないからこそ、生きない人間として愛することが出来ているのが今の人形愛者である、ということだった。
それは凄く納得できて、さらには製作者も、生きている人形を作りたいという欲求から生きることのない人間を作りたいという欲求に変化していってるように思える。
球体関節人形の作者は日本では圧倒的に女性が多い。そして創られるのが最も多いのは少女人形だ。
性的ファンタジーとしてではない、同性の手による同性の人形。そこに見出せるものとは、生きているために喪失していったものに近いものだと感じる。
失われてしまったもの。
あらかじめ失われていたもの。
失われなければならなかったもの。
それらが人形という柩を介して、わたしたちの手に取り戻されていくのだと、感傷的な幻想に過ぎないけれど、そう考えてもいいのかもしれない。
![美術手帖 2007年 10月号 [雑誌] 美術手帖 2007年 10月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/218bt3vAl9L.jpg)
- 出版社/メーカー: 美術出版社
- 発売日: 2007/09/18
- メディア: 雑誌
http://atelierthird.jugem.jp/?cid=13

素敵ですよ。