![]() | アウラ・ヒステリカ―パリ精神病院の写真図像集 (1990/09) G. ディディ・ユベルマン 商品詳細を見る |
18世紀末から女性の社会的な立場の変化により発現が盛んだったとされた女性のヒステリー現象。催眠によってその発現と消失が可能なことを発見したシャルコーによる催眠術の公開実験は、若く美しい女性が好んで選ばれ、パリ社交界の人々の前で、身体を限りなく物象化して見せようとする臨床医の欲望との間で市民権を獲得しながら、フロイトによる精神分析の誕生を促す触媒となった。4千人もの不治の女たちが監禁されていた19世紀末のサルペトリエール病院。実験の方式(実験室の道具)、博物館の方式(記録・保管)、教育の方式(伝達の道具)として採用された写真というメディアが、医師とヒステリー患者の「共謀」関係を定着させた。