蝙蝠と蛞蝓の宴両性具有
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中嶋清八『アリスを演じる少年 -Le garcon qui joue le role d'Alice-』

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甲秀樹『アリスとチェシャネコ』


先日スパンアートギャラリーで『アリス百花幻想展』をみてきた。展覧会そのものの感想はまた別の機会に書けたらと思いつつ、今回はそこで展示されていたふたつの作品から感じた、少年がアリスの世界に介入することで生まれる両性具有性についてを、思ったままに綴ってみるとする。

アリスと少年といえば長野まゆみの『少年アリス』という小説がある。その世界は両性具有というより植物的な無性の世界だ。ここでの少年に付随している、“アリス”という名の役割は、不思議の国に少年を誘うこと、少年から男根を奪うこと、にあったのだと思う。

だけれどわたしは、“アリス”が少年を無性へと導くことはないだろうと考える。周知の通りにアリスの名は今では少女の代名詞的な存在となっている。アリス、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』はグロテスクな物語だ。奇妙なストーリー、偏執的な言葉遊び、醜悪な造形のキャラクターたちが織り成すそのグロテスクな世界を縦横無尽に突き進んでいくグロテスクな少女、それがアリスである。そのアリスが他の多くの少女像を押しのけて“少女という生き物”の座に君臨しているということ。そこに理由を見出してみるならば、それは少女という生き物が元来グロテスクをはらんだ存在であるから、に他ならないだろう。そして対となるべく少年からはそのグロテスクさを見出すことは不可能なのだ。ならば、少年にアリス性を付加するということは、少年にグロテスク(子宮)を保有させることになるのではないだろうか。
アリスを演じること、アリスに扮すること、それだけで少年は両性具有者となる。アリスが持つ少女性とはそれほどに強いのだ。
2009.12.10(23:12)|両性具有コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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