蝙蝠と蛞蝓の宴映画
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昨年の7月に渋谷ユーロスペースにて公開された映画「トルソ」。

トルソとの生活
アパレル会社で事務の仕事をする独身OLのヒロコは、化粧もせず、同僚に誘われた合コンにも行かない、地味で平凡な女。家に帰ると野菜だけの料理を作り、白ワインと共にゆっくりとそれを食べる。好物は氷あずきで、趣味はパッチワーク。決して浮き立つような毎日ではないけれど、他人の干渉や複雑な人間関係を面倒に感じる彼女にとっては、そんな静かで規則的な生活の中に身を置くことが寧ろ心地よかった。
ところが、ヒロコには誰にも言えない秘密があった。彼女は“トルソ”と呼ばれる男性の体を模した人形をクローゼットにしまい込み、日夜それを取り出し空気を入れては、心と体の隙間を埋める拠り所としていたのだ。顔も手も足もない、胴体と男性器だけのトルソ。ヒロコはそれをただの人形として扱うのではなく、まるで彼氏のように接し、一緒に湯船に浸かることも、海へドライブに行くこともあった。彼女は体温のないこの“彼氏”に満足し、生身の人間と面倒な関係を築き上げなくても「彼がいれば生きていける」、そう思っていた。

妹との生活
静かな日常がいつまでも続くと思っていたある日、ヒロコは久しぶりに再会した妹ミナの口から、父親が脳梗塞で倒れ帰らぬ人になったことを知らされる。血の繋がっていないこの父親をよく思っていなかったヒロコは、悩んだ挙げ句葬式に参列するのをやめ、親戚中のひんしゅくを買ってしまう。
父親の死から数日後、ヒロコのマンションにミナが転がり込んできた。彼女は今、かつてヒロコの恋人だったジロウという男と付き合っていて、ジロウの暴力と浮気に耐えかねて家を離れたいというのだ。ひとりの生活を壊されたくなかったヒロコはミナの居候をきっぱりと断ったつもりだったが、化粧品や衣類まで持ち込んできたミナに根負けし、結局ふたりは共同生活をすることになってしまう。頑なに守ってきたヒロコの日常は軋み始め、クローゼットの中の秘密がばれるのも時間の問題だった。

動き出した日常
父親の死後はじめて実家に帰ったヒロコは、葬式に来なかったことを母親に責められ、肩身の狭い思いをしていた。母親は社交的で自由奔放なミナに愛情を注ぎ、滅多に顔を見せないヒロコの年齢さえも覚えていない。ヒロコと血のつながりがある父親は幼少時代に家族を捨て出ていってしまい、今はもう会うことができなかった。本当はそれが寂しいはずのヒロコだったが、彼女の感情は過去の記憶と共に心の奥深くに根を張って表に出てくることはなかった。
傷つくことを恐れて他人との繋がりを頑なに避けてきたヒロコと、夢を抱いて上京してきたが仕事も恋愛も上手くいかないミナが始めた共同生活。やがてミナはヒロコがクローゼットに隠し持っているトルソを見つけてしまい、ヒロコも、常に明るく振舞おうとしているミナの心に大きな不安が影を落としていることを知る。思いもよらない方向へ舵を取り始めたふたりの日常。短い夏が終わりを告げるとき、ヒロコはミナのために、そして自分のために、ある決断を下す…。


DVDは2月に発売されるとのことで購入しようと思っています。

トルソ [DVD]トルソ [DVD]
(2011/02/04)
渡辺真起子、安藤サクラ 他

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2011.01.13(07:45)|映画コメント(2)トラックバック(0)TOP↑
確かに気になりますね、この内容は!
From: 毒いちご * 2011.01.20 18:18 * URL * [Edit] *  top↑

気になりますよね!あらすじを読むとヒロコに感情移入出来そうな気がします。
From: 古谷 葵 * 2011.01.21 21:55 * URL * [Edit] *  top↑

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