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西洋に伝わる人魚の姿は上半身は若い娘の姿で下半身には魚の尾鰭がついている。魔性の歌声で船乗りたちを惑わし海の底に沈めてしまうという。対して、東洋の人魚は妖怪に近い存在で、姿も人間というより獣に似ている。その肉を食すると不老不死になれるという伝説が残っている。

どちらも「人魚」であるが全く異なる存在である。それもその筈で、西洋の人魚はマーメイドと呼ばれるものであるし、共に日本の地で「人魚」という言葉が当てはめられたに過ぎないからだ。

けれども、人魚のイメージとして最も一般的なものが西洋のマーメイドの姿な今、二つの物語をどろどろと溶けあわせ、恐ろしくも蠱惑的なカニバリズムの物語を誕生させることは可能であろう。

汐の匂いの濃厚な夜の海辺に人魚の娘がすわっている。豊かな乳房は上を向き、緑の黒髪は腰の鱗の辺りまで伸びている。彼女の肌はまるで発光しているかのように白く輝き、その貌は造りものかと見紛うほどに端整だ。その美しさとは対照的な、硬い鱗でびっしりと覆われた下半身のグロテスクさは、見る者に戦慄を齎す。

わたしはナイフを強く握り締め、そっと人魚に近づくのだ。不老不死など願いはせぬがこの美しき魚を何としてでも食したいのだと、この欲望に打ち勝つことなど出来ようか。

そして、人魚の悲鳴を聞きながら、暗黒の海を眺めがら、どのように調理しようかと考えることとするだろう。

2007.11.08(00:00)|思考文章コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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