蝙蝠と蛞蝓の宴展覧会感想
> アリス幻想
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先週の土曜日、スパンアートギャラリーにて「アリス幻想」展をみてきた。豪華作家人たちによる会場にずらりと並ぶ「アリス」の世界は、にぎやかで色とりどりで個性に溢れている。最終日だったこともあってか会場内は混雑しており、ゆっくりと眺めることは難しかったが、その熱気もまた楽しかった。
印象に残った作品については、忘れないように感想を書いておきたい。

丸尾末広の『アリス』は、白痴美を備えた少女のように思える。寝そべる白ウサギの手によって、これからよからぬいたずらをされてしまうのではなかろうか、もしかしたら"ウサギ"は少女以外の目から見れば"ウサギ"じゃないのかもしれない、そんな予感が胸に過ぎる。

桑原弘明の作品は、小さな本の形をした立体作品だ。表紙は開いた状態で置かれており、小さな扉が中を見るように誘っている。覗くと、懐中時計や鍵が存在する部屋が広がり、奥の壁は鏡になっていた。覗いた人間の目を映し出す仕組みだ。"大きくなったアリスが小さなドアから部屋を覗いている図"が己の目でもって完成される構造は、作品に自分自身が取り込まれているようでドキドキする。

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他にも、鳩山郁子の作品は"物語"のアリスではなくモデルとなった少女アリス・リデルを描いたようで、牡蠣を食べているなどの趣向を凝らした設定が面白かった。
山本タカトの密やかな吐息と秘密を抱えた雰囲気を持つ『アリス』も素晴らしい。
酒井駒子の『アリス』は、最も子供としてのアリスを描いていて、その愛らしさには心掴まれた。

"少女幻想"としての象徴的存在である"アリス"の魅力の底知れなさを実感する、そんなひとときだった。
2007.12.18(23:04)|展覧会感想コメント(2)トラックバック(0)TOP↑
桑原弘明さんの作品は、覗いた時の構図を想像するとヤン・シュヴァンクマイエルのアリスのジャケットを彷彿させますね
背表紙に付いた丸窓からも覗けるのですか?
From: いそがい * 2007.12.19 15:04 * URL * [Edit] *  top↑

ああ、ちょうどそんな感じです>シュヴァンクマイエルのアリスのジャケット
背表紙の丸窓はライトを翳せるようになっていて、
光を入れると壁に窓の影が投影されました。面白かったですよー。
From: 古谷 葵 * 2007.12.19 21:25 * URL * [Edit] *  top↑

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