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可能な限りに太ることを目標としよう。妖怪ぬっぺほうみたいなグロテスクな様相を理想に掲げて。
お酒もがんがんに飲んでね、暴飲暴食をさながら苦行僧のように続けてやろう。
そしたらきっと肝臓やら何やらをうんっと悪くしてお医者様にかかることになるだろう。

まっさらな白衣を身に纏ったその人は、消毒液の匂いが染み込んだ体臭に包まれて、漆黒の髪に切れ長な眸、細くて高い上品な鼻梁、唇は赤くぬらぬらと濡れていて……。

ほらほら、なんて綺麗なお医者さま、なんて素敵なお医者さま。

酷薄な笑みを浮かべて、見るも無残で哀れなこの肉塊を見下ろして、「さあ、手術をしよう」と歌うように言われたならば、わたしは結婚初夜を迎える生娘のような心持ちで、「はい」と初々しく頷くのだ。
すべての準備は整った。
白いベッドに寝かされた肉の塊を前に、光る銀のメスを掲げながら、切り裂くタイミングを計っているお医者様。はっきりと保たれた意識のなかで、わたしはその様子を眺めている。

アルコールにどっぷり浸からせたこの身体、麻酔などが効くものか。
すっかり効いた振りをしてベッドに横たわっているだけなのだ。

銀のメスがずぶずぶと肉に沈みこんでいく。先生の手までが肉に埋もれてしまいそう。
激しい痛みを耐えながら、わたしはお医者様に女にされたのだと、そんな確信に満ちた喜びを噛み締める。
飛び散る血でお医者様が汚れていく。わたしの体内から噴出した液体、わたしという人間を構成している重要要素、すなわち飛び散る血液も"わたし"なのだ。

お医者様の身体を汚すわたしの血。

お医者様の手を服を、脂肪でべたべたにしていくわたしの肉。

わたしはお医者様を犯していく。

痛みなのか快楽なのか、いまやすべては混然として、お医者様の疲弊していく顔だけが、くっきりと目に映る。
もはや、手術が失敗なのは明白だ。白い顔をますます白くして、お医者様はいろいろな器具でわたしの肉体の内部を掻き乱す。
その激しさに身悶えながら、死の絶頂を向かえる前に、くぐもった声で微かに呟く。
「ごめんなさいね……お医者様」

お医者様……いいえ、××さん……。貴方のために太ったのです。貴方にこうして蹂躙されるために、貴方をこうして犯し尽すために、貴方にこうして恍惚の瞬間を与えてもらうために。

愛していました。ずっとずうっと、一目ぼれだったのですよ。

さようなら、さようなら、ああ、なんて幸せなのだろう。
2008.09.04(07:26)|思考文章コメント(2)トラックバック(0)TOP↑
汚したい願望を叶えるのが、死と引き換って
凄い好きだ
From: いそがい * 2008.09.11 16:33 * URL * [Edit] *  top↑

コメント有難うございます!
エロスもタナトスも同一線上のものならばって気持ちで書きました。
From: 古谷 葵 * 2008.09.12 07:38 * URL * [Edit] *  top↑

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◆Dodgson Vo.1 「漂流少女」◆

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