蝙蝠と蛞蝓の宴資料・記録
> 眼球譚と音韻

『眼球譚』は、題名通り「眼球」が主人公となる物語である。眼球は、その「見る」という能力・機能としてよりも、ちょうど卵に似た乳白の「色」、楕円の「形」、ぬるぬるした「感触」等において、事件や出来事の密かな主役を演じる(フランス語の音韻システムでは、「眼球」oeil の音韻は、「卵」oeuf の音韻ときわめて近い)。たとえばマドリッドの闘牛場で、牛の角にくり抜かれた闘牛士グラネロの眼球のように。「眼球の物語」は、人間が通常の意味において知覚したり、思考したりする世界、すなわち意識的な知覚や思考の領界を離れて、精神分析が〈幻想〉fantasmeと呼ぶ領域、また幼児的な空想とか「白昼夢」と名づける世界へと迷い込み、そこで展開される。

-消尽-バタイユ 湯浅博雄


フランス語では“眼球”と“卵”の音韻が極めて似ているということを踏まえて読むと、翻訳のままに読むのとはまた違った側面の『眼球譚』を感じることが出来ますね。『不思議の国のアリス』もそうだけれど、翻訳では音韻までは訳せないのでそこが語学力のない読み手として少し歯痒いところです。


バタイユ (学術文庫)バタイユ (学術文庫)
(2006/05/11)
湯浅 博雄

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2009.02.28(22:30)|資料・記録コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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