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ミステリ小説の世界のように、それはそれは美しく頭脳明晰の名探偵が目の前に颯爽と現れたとしたならば、と考える。きっとわたしは恋をして、その人に最高の舞台を捧げたいと思うだろう。
何度も何度もこの身体を生臭い血でべたべたに汚し、獣の如き人間に成り下がり、咆哮しながら夜に溶け込み人を切り裂く。すべては一点の汚れもなく聖人のように佇みながら、わたしの罪を暴くだろう彼の人の、その声を聞くために。
頭の悪い馬鹿なわたしだが、人生に一度だけだ、ありとあらゆる情熱を注ぎ込んで素晴らしいトリックを用意してやろう。
彼の人が、このわたしなんかの手によって翻弄され、追い詰められ、汗を滲ませる。そんな姿を存分に楽しませてもらいながら、それでも答えに辿り着くまでそうはかからぬことを信じて待っている。
やがて、部屋に集められた人々の前で、じわじわと真綿で首を絞めるような遣り方でトリックを暴きながらわたしを追い詰めていく彼の人を見つめれば、陶器のように白い肌には仄に赤味が注していて高潮していることが見てとれる。ああ、犯人の名を告げる瞬間、裁きを下すその瞬間、どれほどの快感がこの人のその身を包むことだろうかと、わたしは喜びに心が打ち震える。
探偵と犯人、この甘美な共同作業によって築き上げられた一つの完結した世界。誰に脅かすことが出来るだろうか。
そして、名前が告げられた瞬間、にっこりと微笑んで、他人から見れば酷く見苦しい引き攣った形相で、毒を煽りごぼごぼと血を吐き出しながら、綺麗に舞台の幕を引くのだ。

きっとこれは最高に特別で素敵なことじゃないか。
2009.07.02(22:42)|思考文章コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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◆Dodgson Vo.1 「漂流少女」◆

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