蝙蝠と蛞蝓の宴思考文章
> 白昼夢
この魔都には、纏足を施した少女が並べられた少女娼館がある。皆そっくりおんなじ顔で唇の横に小さな黒子がついている。綺麗な纏足靴を履いた足を台の上に乗せながら、赤い舌を蛇のようにチロチロ覗かせ甘い言葉でわたしを誘う。わたしはなんだか無性に酒が飲みたくなって、何度も何度も喉を擦る。

少女娼館の隣には少年娼館がある。やっぱり皆おんなじ顔で唇の横に小さな黒子がついている。チャイナドレスを着ていて、長椅子にもたれ掛かりながら煙管を燻らしている。真っ白く細長い腕を揺らめかせながら手招きする様子はまるで蛇のようで、わたしは酒が飲みたくて飲みたくて、ひたすら胸を掻き毟る。

はっ、と気がつくと、わたしは脱水症状を起こして草むらに倒れ込んでいた。真夏の容赦ない日差しが肌を突き刺す。朦朧としながら前に目をやると、顔のすぐそばで白い蛇が干からびて死んでいた。蛇の背に小さな黒い斑点があるのを確認した後、わたしはゆっくりと目を閉じた。
2009.08.12(23:00)|思考文章コメント(2)トラックバック(0)TOP↑
草いきれの中で見た陽炎のゆめまぼろし、蠱惑する美しい死の夢。
甘美に抗える者などきっといないのでしょうね。
From: 毒いちご * 2009.08.13 16:35 * URL * [Edit] *  top↑

素敵なコメントでどきどきしました!有難うございます。
夢か現か、すべてが朧げな、真夏の夢に呑みこまれてみたくもあります。
From: 古谷 葵 * 2009.08.14 21:53 * URL * [Edit] *  top↑

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